元禄忠臣蔵 第三部
元禄忠臣蔵 第三部 四幕九場
真山青果=作 真山美保=演出
織田紘二=補綴・演出
伊藤熹朔=美術
中嶋八郎=美術
《吉良屋敷裏門》
第一幕 吉良上野介屋敷裏門前《仙石屋敷》
第三幕 仙石伯耆守屋敷玄関
同 大広間
同 元の玄関《大石最後の一日》
第四幕 細川屋敷下の間
同 詰番詰所
同 大書院
同 元の詰番詰所
《主な出演者》
松 本 幸 四 郎 中 村 芝 雀 中 村 信 二 郎
坂 東 三津五郎 ほか
そして最後の第三部。幸四郎さんです。
実際の討ち入りの場面は描かれず、仙石屋敷での取調べという
形でその様が語られます。その前までがあまりに淡々としていて
ふーんという感じですが、浪士の言葉を聞いているとさすがに
涙がじわり。最後に大石を囲んで最後の別れを惜しむところでは
やっとこの数年もの思いを遂げたんだなあという感慨が。
最終、「大石最後の一日」ではただのあだ討ちではなく、喧嘩両成敗
にしなかった公儀に対する問いかけも含まれていたという筋書き。
”初一念”という言葉に思いを乗せているが、あまりに多くの人を
巻き込んでいったのだと改めて思う。
決して晴れ晴れした気持ちだけではない、初一念を貫くことの大切さ
とともにそのために払われた数々の犠牲を引き受けて、最後に花道に
去っていく内蔵助の姿に涙。
今回の三部作はどれも最後に大石が花道を去っていくところで終わり
ますが、それぞれの表情がとても面白かった。3ヶ月は長いけれど
見ごたえあって、こういうのはやはり歌舞伎でないとないことだなあ
と思いました。
3ヶ月通しで見た方には3大石のサイン付てぬぐい貰えます(笑)。