五月大歌舞伎

五月大歌舞伎
平成19年5月17日(木)
会場:新橋演舞場
昼の部
一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
            鳴神上人  染五郎
           雲の絶間姫  芝 雀


二、鬼平犯科帳(おにへいはんかちょう)
  大川の隠居
           長谷川平蔵  吉右衛門
           船頭友五郎  歌 六
           長谷川久栄  福 助
          同心酒井祐助  錦之助
          同心木村忠吾  松 江
           小房の粂八  歌 昇
          与力佐嶋忠介  段四郎
          岸井左馬之助  富十郎


三、釣女(つりおんな)
            太郎冠者  歌 昇
              上蟖  芝 雀
             大名某  錦之助
              醜女  吉右衛門



夜の部
一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
  三笠山御殿の場

         杉酒屋娘お三輪  福 助
    烏帽子折求女実は藤原淡海  染五郎
           入鹿妹橘姫  高麗蔵
          豆腐買おむら  歌 六
    漁師鱶七実は金輪五郎今国  吉右衛門


二、隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)
  法界坊

    序幕  第一場 向島大七入口の場
        第二場 同座敷の場
        第三場 向島牛の御前鳥居前の場
    第二幕 向島三囲土手の場
    大喜利 隅田川渡船の場

          聖天町法界坊  吉右衛門
            娘おくみ  芝 雀
           若党五百平  歌 昇
            手代要助  錦之助
           息女野分姫  染五郎
            丁稚長太  玉太郎
          永楽屋おらく  吉之丞
         大阪屋源右衛門  歌 六
           道具屋甚三  富十郎

  浄瑠璃 双面水照月

     法界坊の霊/野分姫の霊  染五郎
          渡し守おしづ  福 助
     手代要助実は吉田松若丸  錦之助
            娘おくみ  芝 雀

昼夜とぶっ続けの歌舞伎鑑賞、どうなることかと思いきや、
なかなか楽しくて楽しくて。
ああ満足満足。

  • 鳴神

染ちゃん鳴神初役。
うぶな鳴神くんがきれいなお姉さんにたぶらかされるお話(?)。
女って怖いねっ
あとで気づいて、うにゅにゅにゅと切れる鳴神くんがまたかわゆい。
           

らぶ生鬼平!!!
単行本を全て持っている鬼平ファンの私にとって待ちに待った初演。
原作を大幅に切り取って、鬼平と友五郎の仲が丁寧に描かれていて
それはそれでとてもいい感じ。
         

  • 釣女

前の鬼平とは大違いの醜女の吉右衛門さんがかわいい!

  • 妹背山婦女庭訓  三笠山御殿の場

いやーつくづく理不尽なお話で。
もうお三輪ちゃん、ただただ求女@染ちゃんに恋して会いたいだけなのに
意地悪お局たちにいじめられるいじめられる。
あげくの果てには、金輪五郎今国@吉右衛門に殺されて。なのにそれでも
大好きな求女@染ちゃんのためだと喜んで死んでいくなんて。
最後はお三輪ちゃんに涙しました。

悪党なのに憎めない法界坊@吉右衛門さん。
イナバウワーとかしちゃうし。
「ちょっと、ちょっとちょっと」とかいうし。
「欧米か!?」とかいうし。誰だ、こんなネタ仕込んだの?たぶん染。

染ちゃんの踊り、本当に素晴らしい!!
法界坊の霊と野分姫の霊が合体した(すごい設定だな)役だったのだけど
法界坊と野分姫の入れ替わる様。
愛しい人への想いと恨みに交互に刈られる様。見事でした。
表情にも踊りにも、もう釘付け。
そうそう、私の大好きな竹本清太夫さんの相変わらずの熱唱ぶり*1
染ちゃんも見たいし、清太夫さんも見たいし。悩ましかった。

*1:合体霊の染ちゃんが登場する場面。舞台がぱっと真っ暗になるんだけれども、その暗闇のなか、清太夫さんの声が響いてくる。それが鳥肌のたつような、それでいて心が落ち着くような不思議な感覚。