「どん底」

どん底
平成20年4月14日
会場:シアターコクーン
原作:マクシム・ゴーリキー
上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:段田安則 江口洋介 荻野目慶子 緒川たまき
    大森博史 大鷹明良 マギー 皆川猿時
    三上市朗 松永玲子 池谷のぶえ 黒田大輔
    富川一人 あさひ7オユキ 大河内浩  
    犬山イヌコ 若松武史 山崎一

ロシア文学というと、10代のころに読んだ本とかの見た
映画の暗くて寒くて灰色のイメージとか、最近だと映画の
エルミタージュ幻想」のこれってホントに会話噛合ってる?
みたいな感じとか。
とはいえ、そこはさすがケラさん。群像劇だった。
それに遠い昔の遠い国のヒトゴトのお話じゃなくて、今の
私達にすごく近しいものだったんだと気付く。


ルカーの”人は好きなものに魂をこめるんだ”って言葉が
好き。格言集みたなルカーの台詞。
心地よい言葉に救いを求めるのは逃避なのか。生きる真実
を騙しながらも日々をやり過ごすことだったらどうしよう。
役者が自殺したと告げられたとき、そうなることはわかって
いたのに泣けてきた。誰しもわかっているのだ、そんな完璧
な世界はないって。それでもまた立ち上がってそこで生きて
いくのが人間というものなのかな。
人は強くて弱いものなのね・・・