六月大歌舞伎
六月大歌舞伎
平成19年6月18日(月)
会場:歌舞伎座
昼の部一、妹背山婦女庭訓
小松原 花渡し 吉野川
●小松原 久我之助清舟/梅 玉 采女の局/高麗蔵 宮越玄蕃/松 江 太宰娘雛鳥/魁 春
●花渡し・吉野川 太宰後室定高/藤十郎 久我之助/梅 玉 雛鳥/魁 春 荒巻弥藤次/亀 鶴 蘇我入鹿/彦三郎 大判事清澄/幸四郎
二、閻魔と政頼
鷹匠政頼/吉右衛門 赤鬼/歌 六 青鬼/歌 昇 閻魔大王/富十郎
三、侠客春雨傘 藤間 齋 初お目見得
大口屋暁雨/染五郎 逸見鉄心斎/彦三郎 傾城葛城/芝 雀 傾城薄雲/高麗蔵 幇間善孝/錦 吾 和泉屋女房お吉/吉之丞 番新豊花/歌 江 和泉屋新兵衛/友右衛門 高麗屋齋吉/初お目見得藤間 齋(染五郎長男) 大尽高砂屋梅玉/梅 玉 鳶頭仁左衛門/仁左衛門 播磨屋吉右衛門/吉右衛門 高麗屋幸四郎/幸四郎
夜の部
一、元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿
徳川綱豊卿/仁左衛門 富森助右衛門/染五郎 中臈お喜世/芝 雀 上臈浦尾/萬次郎 新井勘解由/歌 六 御祐筆江島/秀太郎
二、盲長屋梅加賀鳶 本郷木戸前勢揃いから赤門捕物まで
竹垣道玄/天神町梅吉/幸四郎 女按摩お兼/秀太郎 魁勇次/歌 昇 昼ッ子尾之吉/愛之助 盤石石松/松 江 数珠玉房吉/男女蔵 御守殿門次/亀 鶴 妻恋音吉/種太郎 小間使お朝/宗之助 女房おせつ/鐵之助 家主喜兵衛/錦 吾 天狗杉松/市 蔵 虎屋竹五郎/高麗蔵 伊勢屋与兵衛/家 橘 御神輿弥太郎/友右衛門 雷五郎次/芦 燕 春木町巳之助/歌 六 日蔭町松蔵/吉右衛門
三、新歌舞伎十八番の内 船弁慶
静御前/平知盛の霊/染五郎 源義経/芝 雀 舟人岩作/松 江 舟人浪蔵/男女蔵 舟人梶六/亀 鶴 舟長三保太夫/東 蔵 武蔵坊弁慶/幸四郎
6月は歌舞伎座へ。
お目当てはもちろん、初お目見得の斎ちゃん、かな。
- 妹背山婦女庭訓
5月のかわいそうなお三輪ちゃんのお話とはまた違うパート。
休憩の時に、もう1本上手に花道があることに気付いてどきどき。
確か「アテルイ」の時以来、両花道なんて見た事ないし。
あるんだ歌舞伎にこんな演出。井上さんのインチキかとばかり・・・
これいつ使うのかしらん?と思ってたら、「吉野川」の場でした。
おまけに竹本さんまで上下に分かれていて、ときにそれぞれを
歌い、ときに同時に歌いと、まあ耳に心地よいこと。
と油断していたら、藤十郎さんの定高と雛鳥のやりとりに号泣。
- 閻魔と政頼
KFCに行きたくなった・・・。
- 侠客春雨傘
いよいよ斎ちゃん初お目見得。
ということで、せっかく男前な役どころの染ちゃんなのに、客席も舞台も
なーんか落ち着かない感じ。
花道を幸四郎おじいちゃんに手を引かれて出てきた斎ちゃんはなぜかうつむきがち。
もしかして、おねむだったかしら???
手をひっぱるおじいちゃんの手をぱしっと跳ね除けること2回?
ご機嫌ななめかなあと思ったら、ちゃんと『勧進帳』の六方を踏むわ、一本締め
はちゃんと手拍子するわ、押さえどころは逃さない。さすが血は争えませぬ。
- 元禄忠臣蔵
国立劇場でも見た御浜御殿綱豊卿。仁左衛門さんの綱豊さんがまたいい味。
あんな長台詞、ちょっとくどいくらいになりそうなものなのに、いい感じで
心にしみてくる。男前だし。染ちゃんと並ぶと親子みたいに似てるような。
- 盲長屋梅加賀鳶
初めて見たけど、幸四郎さんの道玄がいい感じ。
こういう滑稽な間とか初めてみたけど、さすがという感じ。
でもって、吉右衛門の松蔵がかっこいいっ。
実はこれを一番の楽しみにしてました。
静御前と平知盛の霊を1人が演じるのもまた楽しみな点。
静御前は美しい・・・。
能面のような静かな表情にときどき感情が浮かんでは消え、そして
また浮かぶ。静かに優しく舞っている姿が美しかった。
そして平知盛の霊!!!
知盛の登場からもう劇的っ。迫力っ。
髪の1本1本、その先まで感情が行き渡るみたいに逆立って。
放たれる怒りや恨みが舞台から飛んでいくのが見えるみたい。
そして最後は、花道をくるくると回りながらの迫力の引っ込みっ。
どうも染ちゃんの踊りにはいつも心が掻き乱されます。