NODA・MAP第13回公演「キル」

NODA・MAP第13回公演「キル」
平成20年1月22日
会場:シアターコクーン
作・演出:野田秀樹
出演:妻夫木聡  広末涼子  勝村政信  高田聖子  山田まりや
   村岡希美  市川しんぺー  中山祐一朗  小林勝也  高橋惠子
   野田秀樹


以前に何かでケラさんが、(演劇を観る)2度目というのは、
どうせ、どうせといっては何だけど、1度目の印象をもとに
観るわけだから、その1度目と2度目の間で戯曲を読んでは
どうだろうということを書いてらしたのを見て、それも
一理あると素直に「キル」を読んでみた。
そして1度目から1ヶ月たった今日。2度目のキル。



野田さんのお芝居で何が好きかって、あの巻き込まれる感じ。
言葉の洪水、韻を踏む言葉遊びの中で、あちこちに引っ張られ
巻き込まれ、なのに時々見え隠れするキラキラする本当。
そしてある瞬間、無重力みたいな、真空みたいな、何の音も
ない、青い空の中にぽーんと放り出されたみたいになって、
全てが見えたような気がする。その瞬間がまた好き。
そして今日はその奇跡みたいな瞬間が見えたみたい。


堤さんのテムジンが力強く押してくるのであれば、妻夫木くん
のテムジンはまだ若く無茶で迷いも振り切って駆け抜けようと
するものだったのかもと思う。
死に行く瞬間に、あるいは生まれ行く瞬間に、分かることや
思うことや感じることや、その全てが青い空に溶けてくみたい。
これも戯曲読んだ賜物なのかしら。
それにしても、妻夫木くん、成長してました。